こんにちは、こんばんは。
サマビーです。
今日は昨日に引き続いて、巣籠もり生活用に私の好きな映画を紹介します。
今回は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(1995年)です。
いやぁ…この映画は大好きです。
どうも青春ものに弱いようで、完全に自分の好みですけどね…笑
文句なしに、評価は星5つ(★★★★★)です。
そもそも、これを「映画」と言って良いのかと言う問題がありまして、と言うのも、元々はテレビドラマ『if もしも』の1つの作品だったんですね。
『if もしも』を知らない人も多いと思いますが、『世にも奇妙な物語』というオムニバスのテレビドラマがあるじゃないですか。
『if もしも』は、言わばその類似品と言えます。ストーリーテラーとしてタモリが出てくる点も同じですね。
ある場面で、Aという選択をするか、Bという選択をするかで、その後にどういう展開となるか…という短編ドラマを集めたものでした。
で、この『打ち上げ花火~』がテレビで放送されたのが1993年、そして、映画化されたのが1995年です。
監督は岩井俊二で、私はこの作品をきっかけに、すべての岩井俊二作品を見ました。
なお、この先は「ネタバレ」がありますので、見たくない方はご遠慮ください。
淡くほろ苦い青春もの
この映画を一言で言ってしまえば、「小学生の駆け落ち(未遂)」ものです。
小学生なので「駆け落ち」ができるわけがありません。間違いなく未遂で終わりますし、いいとこ「家出止まり」でしょう。
それは本人達もわかっていて、自らあっさりと終えます。
主人公の男の子は山崎裕太(典道)、ヒロインは奥菜恵(なずな)なんですが、またこの2人がはまり役だなぁ…と。
超ざっくりと「あらすじ」を書きますと、ヒロインの”なずな”が両親の離婚で転校することになります。しかし、それが嫌だったので、おそらく好きだった典道を誘って駆け落ちをたくらみます。
ただし、やはり現実的にそれが無理であることくらいはわかる。
なので、本気で駆け落ちするまでの気はなく、誘ったらついてきて来てくれるかを確かめたかったんでしょう。
現に、”なずな”は一定の場所まで行くと、突然スッキリしたように帰り始めます。
そして、「次に会えるのは2学期だね。楽しみだね。」などと言って、去っていきます。
最後のシーン(※)は、2学期が始まった教室で、”なずな”の机と椅子は空いています。
※正確な最後のシーンは、打ち上げ花火の焔が消えゆくシーンです。
まぁ、こんな感じです…笑
…ざっくりし過ぎました。
なずなに誘われた時間、典道はクラスの男友達と花火を見に行こうと約束していたんです。
急に誘われたので、ダブルブッキングになってしまったんですね。
仲間と花火を見に行くきっかけは、花火を横から見ると、どのように見えるのか?…という疑問です。
そこで仲間たちと一緒に、花火が上がる時間に灯台に登り、横から見てみようと約束をしました。
上で書いたように『if もしも』というドラマ作品でしたので、ここで選択肢が分かれます。
A:仲間(男友達)との約束を守り、花火を見に行くか。
B:おそらく好きだった「なずな」の誘いを優先するか。
「選択」というのは正確ではありませんが、まぁ、そんな感じです。
なお、映画ではこの両方の結末が見れます。
「あらすじ」はこの辺でやめておきましょう。
で、この映画の良かった点は色々とありますが…
その1つに「リアルな小学生男子(高学年)」がとてもよく描かれていると思いました。
これは昔の教育番組のイメージが強いのかもしれませんが…苦笑
それまでのドラマや映画に出てくる子どもって、「子どもはこういう感じ(にしておけばOK)」みたいな描かれ方か、もしくは、突飛な描かれ方ばかりだった気がするんですよね。
リアリティがない…と言ってしまえば、それまでですが。
それに慣れちゃっているので、別に違和感もないのですが…
その結果、全員が子ども時代を通過してきているはずなのに、作中の子どもに共感できなかったり、没入できなかったりする。
その点、この映画に出てくる小学生は、当時のリアルな男子小学生感がヒシヒシと伝わってきました。
そうそう…そんな感じ…といいますかね…笑
ただ、主人公が男の子なので、女子的にはそこまでリアリティを感じないかもしれません。
また同じく「日本の小学生」の「夏」の日常も、丁寧に描かれているなぁ…と。
だからこそ、非日常的な場面も効いてくるといいますかね…。
まぁ、色々と書きたいことはありますが、どこまで書いてよいのかわかりませんので、この辺で止めておきましょう。
邦画の中では、かなり好きな作品ですので、ぜひ「夏前」に見てください。
いくつかの偶然で私は見ました(余談)
さて、ここからは余談です。
『if もしも』というドラマシリーズですが、正直なところ、私はこの『打ち上げ花火』以外の作品を見たことがありません…。
まぁ、有名な『世にも奇妙な物語』ですら、ほとんど見たことがない…苦笑
そもそも私は、ほとんどドラマを見ない人なんですね。
『if もしも』が放映されていた当時、私は実家で親や兄弟と住んでいましたが、家族で一緒に「ドラマ」を見る家庭ではなかった、ということもあります。
しかし、不思議なことに『打ち上げ花火』だけは見たんですねぇ。
最初から最後まで。
ちなみに、今回の話を書くために調べたところ、そもそも『打ち上げ花火』自体も本来の放送予定日から1週間繰り上がって放送されたようです。
別作品が見送りになったことが原因のようですが、1週間ズレていたら、きっと見ていなかったでしょうねぇ。
しかも、私の記憶に間違いがなければ、繰り上がった放送日の裏番組には、プロ野球の「日本シリーズ」が予定されていたはずです。
日本シリーズが雨で中止となったことで、このドラマが多くの人の目に触れて話題になった…と聞いたことがあります。
まぁ、当時は私も野球をよく見ていましたし、日本シリーズが行われていたら、そちらを見ていたでしょう。
おそらく日本シリーズはやっていないし、別のチャンネルに回したら…という”きっかけ”だったんじゃないかな。
ただ、冒頭の数分をふわっと眺め、そのまま最後まで見続けたのは、この映画に惹きつける力があったからでしょう。
見終わった後、心に響くものがありましたが、たまたま見たくらいなので録画もしていません。
そのまま何となく「面白かったドラマ」として気になっていた数年度、映画化されたことを知って、最終的にはDVDを買いました。
当時はまだ若くて、お金もありませんでしたから…「映画(DVD)を買う」ということ自体、私の中では異例です…笑
ちなみに、その次に買った映画(DVD)は「スターシップトゥルーパーズ」かな…笑
ジャンルは完全に異なりますが、この映画も大好きです。
ということで、今日も映画の紹介でした。