【今日は】あの日、持っていったスイカの話【雑談】

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こんにちは、こんばんは。
サマビーです。

この話を書いているのは、とある日曜日の夜です。

どうも日曜日の夜はメランコリックな気分になるようで、ちょっとした雑談や思い出話などを書いてしまいます。

「お前の思い出話なんかど~でもいい」って感じでしょうがね…笑

最近はできるだけ家に仕事を持ち込まなくなりましたが、急ぎの仕事があり、この土日は家で仕事に勤しんでいました。

以前の私ならば「もうひと頑張り…」というところでしょうが、どうせ明日からまた仕事。

もう今日は疲れました。

ですので、よくも悪くもあきらめて…また、気分転換に少し雑談を書かせていただきます。

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最後に見たのは、月が綺麗な夜の「光と音」でした

今の家に引っ越してきて、もう10年ほど経ちます。

引っ越してきた当初、町内のことは右も左もわからない私たちに、隣に住んでいるHさん(当時で70代後半)には、よくしていただきました。

Hさんは奥様に先立たれ、何人かのお子さんも家を出て独立し、ご自宅に1人で住んでいたんですね。

そして、現役で仕事をこなし、毎朝早朝に出勤していました。いわゆる「士業しぎょう」をされていて、引退していなかったのでしょう。

早朝に、隣の家から「ピッピッ!」という車のキーが解除される音が聞こえると、布団の中で「もうHさんは出かけるのか…」とよく思ったものです。

また、ハイキングが趣味だったようで、たまに山登りに出かけていました。

80歳になろうというのに、毎朝早朝から仕事に出かけて、休みの日は山登りをして…本当にすごいなぁ…と思っていましたねぇ。

そんな姿を見て、自分も頑張ろう…頑張れるはずだ…と勇気づけられたものです。

そして、ご自宅の中を拝見したことはありませんが、私の家側にキッチンの窓があったようで…

夜に外に出ると、明るく光るその窓から「ガチャガチャ」と洗いものをする音が聞こえては、「Hさんいるな~」などと思っていましたね。

でも、もう6年くらいは前になるのかなぁ…。

とある朝、Hさんは、ご自宅で亡くなられていました。

私が仕事に行こうと家を出ると、Hさんの家の前に、救急車やらパトカーやら。

Hさんの事務所の方から、いつもの時間に出社してこないし、電話をしても繋がらないので、様子を見てほしいと通報があったそうです。

前日も山登りに行っていたようで、その後、ご自宅で亡くなられたとのこと。

山登りの帰り道にスーパーで買ったであろうお弁当とレシート(購入した日付が記載)が残っていて、事件性はないとの話でした。

いわゆる突然死だったのでしょう。


そんなことが起こる…直前の夜、月が綺麗な夜でしたね。

一服しに外に出た際、Hさん宅の窓からは明るい光が漏れていました。

また、食器を洗っている音を聞いて、「Hさんやってるな…」と思ったものです。

しかし、突然のお別れとなります。

親密なお付き合いがあったわけではありませんが…とても穏やかな方でした。

Hさんにとって、最後の”お隣さん”となった者として、ご冥福を祈るばかりです。

「一切れのスイカ」が届いた場所

Hさんについては、1つ忘れられないエピソードがあります。

まだ息子が生まれる前で、私と妻で2人暮らしをしていた頃でした。

ある夏の日、私はスイカを一玉、買って帰ったんです。

私はスイカをあまり食べません。美味しいですけどね。

種の処理が面倒だからです…苦笑

一度口の中に入れて、後から種を出すのが、どうも汚らしく感じる。

そこで、私は食べる前に、フォークなどで取れるだけの種を取ってから食べますが…

それが、どうもそれが面倒で…笑

少しスイカも”ぐちょぐちょ”…ってなりますしね。

なので、特に実家を出てからは、スイカを食べることもなくなっていました。

ただ、妻はスイカが好きなので、「たまには丸ごと買うか!」と買って帰ったんです。

ところが、妻と私の2人暮らしだったもので、食べきれそうにありません。

まぁスイカですし、食べようと思えば食べられたのでしょうが…

そのときは、妻がHさんに「おすそ分けしよう」と言い出したんです。

「スイカを一切れ持っていっても、迷惑なんじゃない?」とも思いましたが…

その時は「いいかもね」という話に。

というのも、余計なお世話でしょうが、Hさんはご高齢での1人暮らしです。

良い方でしたし、いつも1人で寂しいかもしれないから、たまにはわが家に招待して、一緒に晩御飯でも…なんて話をしていたんです。

その先駆けとして、スイカのおすそ分けを…と…。

で、妻は一切れのスイカを持っていきました。


すると、その1時間後くらいに、Hさんから電話があったんです。

電話に出たのは私でしたが、とにかく感謝の電話でした。

たかだか「一切れのスイカ」ですし、会ったときにでも声をかければ十分でしょう。わざわざ電話をしてお礼をするほどのことでも…。

しかも、その電話で何度も…何度も…「本当に美味しかった…ありがとう」連呼されていました。

言葉だけではなく「気持ち」がこもっていましたね。

私としては「いや…そこまで…(汗)」という感じでしたが…笑

電話を切った後に、ふと思います。


ご家族と離れた(別れた)後スイカを食べる機会がなかったのかも…なんて。

私ですら、実家を出てからはスイカを食べなくなりました。

実家にいた頃は、たまに食卓に出てきて、口にすることはありましたけどね。

ましてや「1人暮らし」となると、わざわざスイカは買わないかもしれない。


ですので、ひょっとすると…ですが、

あのスイカは、Hさんがご家族で住んでいた頃の…

「奥様やお子さん」と一緒に食べた「記憶」に届いたのではないか…と。


この一件以来、Hさんは旅行に行かれると、私たちにお土産を買ってきてくれるようになりましたね。

なんだか、逆に気を使わせてしまったかなぁ…なんて思いもしましたが…。

ともかく、私の推測が当たっているのだとすれば…「美味しいスイカ」を食べていただけて良かったです。

そして、かつてHさん宅で”そのような風景”があったように、

たまには私の家でも、妻と息子と美味しいスイカを食べようかなぁ…と。

何とも季節外れの話題ではありますが…ちょっとした思い出話まで、失礼いたしました。

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