こんにちは、こんばんは。
サマビーです。
久しぶりに一般知識としての憲法の話を書きます。
今回は「憲法」と「法律」は違うよ…という話です。
なお、今回の話はどう書こうか悩みました。
悩んだすえに、正確に書こうとするとわかりにくくなるので、かなり噛み砕いていきます。
一般知識として、このくらいのイメージを持っていれば良いんじゃないかな…という話になります。
よって、詳しい方からすれば「ん?」と思う部分があるかもしれませんが、その辺はご容赦ください。
また、そもそも「憲法とは何ぞや」という点については、下記の話をご参照ください。
そもそも「法律」(法令)とは
そもそも「法律」とは、主に国民がその国で生きていくためのルールと考えればよいでしょう。
厳密には、様々な定義ができますが、この辺もざっくりいきます。
で、例えば、刑法という「法律」では「人の物を盗んだら刑罰を与えるよ」というルールが規定されています。
このルールがないと、いつ自分の物が盗まれるかわかりません。
また、民法という「法律」では、物の売り買いについてのルールが規定されています。
お金を払って、物の財産権(所有権と考えればよいでしょう)が移る…という内容です。
このルールがないと、後で「所有権までは移していないから返して!」といった理不尽な要求をされかねない。
で、こういった「法律」において、すべてのルールが規定されているかというと…
そうでもありません。
全ては書ききれない、という言い方もできるでしょう。
そこで「法律」に比べて、より細かい部分についてのルールが作られています。
「政省令」と言われるもので、「政令」と「省令」です。
これらは「法律」で定めきれない、より細かい部分について規定しています。
すべてのルールを「法律」で定められればよいのでしょうが、「法律」は皆さんの代表者である国会で定めなければなりません。
別の言い方をすれば「国会」以外では、「法律」を定められません。
国会で定めるには時間も手間もかかります。
すべてを「法律」で定めようとすれば、タイミングを失してしまうかもしれません。
そこで、基本的なルールは「法律」で定めておいて、「法律」では書ききれない細かいルールや、より現場に則した細かいルールが「政省令」で定められていきます。
ちなみに、「政令」は内閣によって定められ、「省令(※)」は各大臣が定めます。
※内閣がつくるものは「府令」といいます。
もちろん、各大臣が定めると言っても、例えば、文部科学大臣が1人でうんうん唸りながら、省令をつくるわけではありません…笑
ともかく、まとめますと「法律」→「政令」→「省令」という順序で、より詳細なルールが定められていく…ということです。
ちなみに、「法律」→「政令」→「省令」と進むにつれて、定める手続きも簡単になっていきます。
そして、これら法律・政令・省令等のルールをまとめて「法令」とも言います。
ちなみに、さらに「省令」の次段階として「通達」というルールもあります。
「通達」は「国民」に向けて定められたルールではなく、「法令」を運用する際に、行政側が注意すべき点が書かれたルールと考えればよいでしょう。
お役所内部でのルールと言えますかね。
ただ、各法令を運用する具体的な場面について「〇〇のように運用しましょう」という内容も定められるので、結果として、国民生活に影響はします。
ともかく「通達」は、法令が運用される際の最終微調整的なルールです。
ルールを守るべき人が異なる
いよいよ本題に入ります…笑
いわゆる「法令」について、その国で生きていくためのルールが書かれているもの…とざっくり捉えてしまえば、「憲法」も「法令」の1種なんでしょう。
しかし、「憲法」と「法令」は違います。
格が違う、と言えばそれまでですが…厳しい上下関係があるというか…笑
「法律・法令」は、「国民」が守るべきルールであり、
「憲法」は、「法律・法令(を作る人)」が守るべきルールなんです。
憲法98条1項は「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」と規定しています。
要するに、憲法に反する「法律・法令」などは無効!…と書いてあるんですね。
「法律・法令」は、国民を縛るルールが書かれていますが…
「憲法」には、「法律・法令」は憲法に反するなよ!(ちゃんとした内容にしろよ!)
…という法令を定める人を縛るルールとなっているんです。
まぁ、憲法にも色々な規定がありますし、憲法尊重擁護義務という「憲法を守りましょう!」という規定は、国民に対する規定でもありますけどね。
ともかく、ルールを守るべき人が異なるという点で「憲法」と「法律」は異なります。
少し難しい話かもしれませんが、一般知識という意味では、このくらいの理解でよいのではないでしょうか。
ということで、憲法と法律の違いまで、失礼いたしました。